積雪注意報


◆銀・沖新・関東降雪記念ネタ◆


「いやァ、雪だなァ」
「そうですねえ」 

 音を立てて降っていた雪が雨に変わったのは、夕飯時も終わって暫くしてからのことだった。
 時を同じくしてふらりと訪れた沖田と、しんしんと降る雪を見ながらお茶を飲んでいたりする。
 突然の訪問にもすっかり慣れた自分が何だかくすぐったいような気になって、こそりと笑う。

「積もるだろうなァ、この調子じゃ」
「予報じゃ10センチくらい積雪あるって話ですよ」
「そりゃ参った、帰れねーじゃねェか」

 棒読みで言う沖田に、どうせそのつもりで押しかけてきたくせに、と言いかけて。
 何故だか口を噤んだ。

「新八?」

 返事がなかったのを不思議に思ったのか、沖田が窓の外を見ていた目を新八へと向けた。
 きょとんとした顔は、普段の沖田からすれば想像も出来ないほど幼げな様子で。
 やっぱり綺麗な顔んだなあ、なんて思わず考えてしまった。

「おい、どうしたィ?」

 ひらりと目の前で手を振られ、我に返る。
 よく見なければ分からないほどにだが、沖田の顔には僅かに心配の色が浮かんでいて。
 何だかんだ言って、彼も情の深い人なのだ、と無性に嬉しくなった。
 その優しさは普段はひどく分かりづらいものだけれど。
 新八は嬉しい気分そのままに、沖田の肩にこてんと頭を乗せた。

「こんな日に一人寝は寂しいから、一緒にいてくれると嬉しいです」

 滅多にない積雪なのだから、なんて理由をつけて甘えてみる。
 新八の言動に驚いたらしい沖田は一瞬息を呑んで固まったけれど。

「……お安い御用でィ」

 数瞬置いて返された言葉に、新八はますます笑みを深くした。
 寒さから身を護るには、暖まるのが一番だから。
 雪に紛れて、くっついていてもいいでしょう?


END


 

 



うちの住んでるとこは積雪してませんが今現在。
まあ降雪記念ってーことで一つ。
イチャラブが書きたかっただけでーす。(脱兎)


2008/02/09
(UPDATE.2008/6/19)

 

 

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