日々は忙しく過ぎるに候。


※SSというよりダイジェストみたいなカンジです。最後までないのであしからず。
◆銀・神楽ちゃんにお兄さんがいると判明した時にこんな妄想してみてました(沖新はデフォルトです)◆


case1・沖田と新八
「知らねェんだ、そういうの」
「……え」
「記憶がねェんでさァ、俺ァ。生まれも育ちも、親兄弟がいるのかすら分からねェ」
「じゃあ、近藤さんに会った頃は…」
「よく覚えてねーけどなァ、ひでえ有様だったらしーや。ボロ雑巾みてーで、でも目だけは飢えた野良犬みたいにギラギラしてたってよ」
「その話は、誰に?」
「土方が聞いてもいねーのに言いやがった」
「記憶…取り戻したいとは思わないんですか?」
「今の俺には必要ねーだろィ。俺は俺に満足してっからなァ」
「沖田さんにとっての真選組は、家も同然なんですね」
「お前ェにとっての万事屋と一緒だろィ。けどなァ、覚えとけ」
「? 何をです」
「俺が帰ってくる場所は、いつでもお前ェなんだってことに決まってんだろィ」
「……そういう台詞、どこで仕入れてくるんですか、もう……」


case2・近藤
そうか、総悟が話したのか……
あいつと初めて会ったのは、俺の田舎でね。と言ってもうちの道場の前に総悟が倒れていたんだがな。
始めはどこの戦災孤児かと思ったくらいだったよ。
身なりはボロボロで、あちこち怪我してるし、そのくせ目つきばかりいやに鋭くてなあ。
どこぞで虐待でもされていたのかと心配したんだが、何も語らないし。
天人がやって来てどこもかしこもバタバタしていたし、怪我はひどいしでとりあえずうちで面倒みようって話になってね。
野良犬? 総悟の奴、まったく……
多少やんちゃではあったけど、男っていうのはそういうものだろう?
ああ、まあ多少はね……ま、まあともかくだ。
その頃の総悟は警戒心が強くて、ちょっとでも動けるようになってきたらよく脱走してなあ。
あれは俺が思うに、薬が苦くて嫌だったんだな。
って何その目?! いやいや、ホントだよ。今でも風邪薬でさえ飲みたがらないからな。糖衣じゃなきゃ飲まないとかゼリーで包むやつがどうとか…えっ、あるの? そんなんあるの? へー、今度薬局行って見てみよう。
いや、違う違うそうじゃなくてさ。
治りきってないのに無茶するから、ある日とうとう生死の境をさ迷うぐらいの怪我をしたことがあってね。
そもそもが酷い状態だった上にまた怪我を負ったってんで、あの総悟が一週間くらい意識不明だったことあるんだ。
それからかな…段々喋ってくれるようになったのは。
今が健在だからこそ、こういう話も出来るんだと思うとね、少し感慨深いものがあるよ。


case3・新八と神楽
「ケンカするほど、って言葉もあるけどね…女のコなんだから、傷でも残ったらどうするの」
「へっ、アタイはそんなにヤワじゃねーアル」
「ちょ、何その荒んだ顔! 戻して戻して! もー、またドラマ?」
「夕方から再放送してるアル。傷ばっかりの天使とかいう」
「神楽ちゃん、ホントにドラマ好きだよね……」
「……けど、アイツはキライネ」
「沖田さんも悪ノリするからなあ。おかしな所で子供っぽいというか」
「アイツ見てると、ザワザワするネ」
「神楽ちゃん?」
「オマエは夜兎なんだって、頭の後ろから言われてるみたいになるアル」
「……だから、いつも?」
「お、手当て終わったアルか。ありがとよ! ちょっと稼いでくるからな!」
「あっ、コラ! 着替えもして…ってどうせまた汚すか。まったくもう、銀さんのおかしなトコまで真似するんだから……ザワザワ、か……」


case4・土方と新八
「追求したこたぁねーがな。アイツが天人かもしれねーって可能性は、なくもないと俺ぁ思ってる」
「夜兎の神楽ちゃんと、互角に渡り合ってるからですか」
「それもある」
「も、って……」
「ガキの頃の話は聞いたんだろ、近藤さんから」
「重体になったっていう?」
「ああ。頭を強打してるわ失血は激しいわで正直死ぬだろーなってぐらいだったな」
「頭、打ってたんですか」
「ま、俺としちゃあよ。総悟がネジは曲がってるなりに人とかろうじて協調出来るようになったのは、近藤さんの献身的な看護に心を動かされたってのがあると思いてーがな」
「……僕も、そう思いますよ」



こんなカンジで。こんな感じで。(二回言った!)
実は兄妹なんじゃね、顔似てるし! って妄想をしてみたりしたんですよ神楽ちゃんにお兄さんがいるって判明した時に。その時は沖新ではなく単なる兄妹ネタだったんですが。
顔合わせてるのにお互い気付かなかった訳は沖田は記憶喪失で神楽は小さかったから+沖田が髪染めてるとかで。元の色は多分グラさんより若干赤みがある色なんだぜこの夜兎沖田だと。
二人が年齢差あるのに互角なのは、記憶と一緒に凶暴性とか力が潜在意識の奥に封じ込まれる形になっちゃったからなんだぜ。あと件の怪我の時に出血激し過ぎて輸血したから、それで純粋な夜兎とはまた違うようになった、とかで。(とかって)

頭打ったら凶暴なのが大人しく、ってDBネタじゃねーか、っていう(笑)いーんだ銀だし。妄想だし。
こういう妄想をしてしまったが故に、私は沖神にはいかなかったんだよなー。
一度刷り込まれた妄想を撤回するのは難しくてねェ。しかもその後沖新にハマッたもんだから余計に(笑)

↑のダイジェストもどきの後ゲスト敵キャラが出てきて沖田が実は夜兎族っていうのが判明したり。
神楽パパが出てきたり(事情を知るけど沖田とは敢えて顔合わせない、過去の確執もあるけど何より今の居場所を大事にさせる為に)。
兄妹なんだって判明しても相変わらず衝突ばっかの二人だとか。
そういう話になるんじゃないかなーと。
……誰か書いて夜兎族沖田(他力本願かい)



相変わらずな関係(でもちょっと進展あり?/SS風)

「ほぁちゃぁぁぁ!!」

 傘を片手に、神楽が飛ぶ。
 呼びかけるより早く、神楽の傘と沖田の刀がぶつかり合う音が辺りに響いた。

「くたばるね、このドS!」
「はっ、返り討ちにしてやるぜィ」
「ちょ、ちょっとちょっとちょっと! 何してるんですか! 円満にまとまったんでしょう?!」

 新八は慌てて叫ぶが(二人のやり合う音に負けない為にだ)、二人は止まる様子など微塵もない。
 下手に間に入ろうものなら大怪我どころか死ぬ可能性があるから、割って入るのも憚られる。
 何せ夜兎族(片方は半、と付くのかもしれないが)二人の争いだ。至って普通の人間である新八など、叶う道理がない。

「百歩…いや一億歩譲ってアニキだって認めても、譲れねーもんがあるネ!」
「ほーう、そりゃ奇遇だねィ。いっくら人の恋路を邪魔しててもなかなか馬が蹴ってくれねーもんだから、俺自身で始末つけてやろーと思ってたとこでさァ」
「口の減らないヤローアルな」
「大いに気に食わねェが…好みが似てるってーとこだけは認めざるをえないみてーだなァ」
「蜂の巣にしてやるアル!」

 ビシ、と中指を立てた神楽の仕草を合図に激しい衝突音が辺りに響く。
 神楽ちゃんそれはやっちゃ駄目、と力なく言うが聞こえていないことは火を見るより明らかだった。
 頭痛くなってきた、などと考えながら額を押さえる。とりあえずここが川原であったことを安堵するべきだろう。
 街中だったなら人や家屋への被害などがどれだけだったか。

「ちょっと過激だけど、これはこれであの二人なりのスキンシップなのかな…どう思う、定春?」

 傍らに座る定春に話しかけると、わん、と返された。
 元々定春の散歩の為に出てきたのだが、今の神楽はそのことなど忘れているのだろう。だが当の定春が気にしている様子はないので、まあいいかと思うことにする。
 何より、ぶつかり合う二人がどことなく楽しげに見えたので。
 一段落したら沖田を夕飯に誘ってみようかな、と考えてみたりする。自分にとって肉親である妙との食事がどこか特別であるように、きっと二人にとっても一緒の食卓を囲むことは特別になるのではないだろうか。そんなことを思ったのだ。

「今日の夕飯、どうしようかな」

 新八はぽつりと呟き。
 まだまだ終わりそうにない小競り合いを見て、ふっと笑ったのだった。


END


なーんて、話のラストは多分こんなんで。
てゆっかラストだけ書くなよ自分……


 

 


2008/02/19
(UPDATE.2008/6/19)

 

 

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