日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2006/05/30(火) |
TOA・妄想考 登場人物全員性別逆転パラレル |
金沢が過去書いてきた・現在でも書いてるジャンルを見返してみると自分でも分かりますが、かなりパラレル好きです。 大好きです。大好物です。 アビスは色々パラレルあって楽しいですな。 ゲームにはまったのは久々…というかネット環境整ってからは初なので今までの傾向と対策とかは分からないんですが、見てる限りアビは女体化と逆行パラレルが多いみたいです。 しかも皆さん上手いわ面白いわでかなり眼福です。 これだけ流行ってると自分で書かなくても満足…というか正直な所尻込みしてしまうのが金沢という人種なのですが。 しかーし。 何故かふと思いつきました。思いついちゃいました。 そう、そのパラレルとは、登場人物全員性別逆転パラレル、です!(爆) ある日突然、とか怪しい薬で、とかじゃなくね。先天的に。最初っから。 しかもメインパーティーキャラは勿論のこと、細部まですみずみ逆転です。 六神将も陛下も、名もなき街の人々も分け隔てなく全員男女逆転です。 いやーぁ、でもこれってかなり話違ってきますよね。 まー案ずるより生むが易しというか。 百聞は一件にしかずというか。 こーんな妄想してみたぜ、書いちゃえい。えいえい。 声が、聞こえた。 歌。 誰かの歌声だ。聞いた事もない旋律。 唄う声は伸びやかで、美しかった。 清涼な、とでも表現するのが1番近いだろうか。 体の自由が奪われたりなどしていなければ、聞き入ってしまったかもしれない。そう思えるぐらいには。 石畳を踏みしめる足音に、ルークは頭を押さえながらそちらに目を向けた。 ルークの正面。ヴァンの背後。 立っていたのは、見慣れない服の少年だった。 当然のことながら、その顔にも見覚えはない。 ルークと同じ年頃だろう彼の青い目は、まっすぐにヴァンの背に向けられている。 無感動な目だ。そう思った。 少年はゆっくりヴァンの背に歩み寄っていく。 水底に沈められたかのように朦朧とする意識で、それでもルークは彼の手にナイフが握られているのを見た。 小型だが、突き立てられれば殺傷力は充分にあるだろう。 まさか、そう思う間もなく少年は右腕を振り上げた。 ヴァン師匠! 呼ぶ声は音にならずに喉で凍りつく。 額を押さえながら、それでも少年の一撃をかわしたヴァンは侵入者に目を向けた。 「やはり、オマエか……」 「やっと見つけたぞ、裏切り者」 淡々と、少年は言う。 2人が交わす言葉の意味はルークには分からなかった。 ただ。 再度少年が構える。 「ヴァンデスデルカ、覚悟!」 訳が分からなくとも、彼がヴァンに仇なす者、ということだけは分かって。 そして、それだけあればルークには充分だった。 つい今しがた練習用に使っていた木刀を握り、少年との間合いを詰める。 唐突な攻撃を、けれど少年は手にしていた杖で防いでいた。 あの聞いた事もない歌の効力なのか、弛緩した腕では力が入りきらなかった。 ガツ、と鈍い音がして木刀が震える。 その震えが掌に伝わり、鈍く痺れた。 いつもならこんなことないのに、とルークは思わず眉を顰める。 「……君は」 「師匠に、っ何を……!」 「やめなさい、ルーク!」 三者三様に言葉を紡ぐ。 だが、次の瞬間。 少年とルークの間にある空気が震え、歪んだ。 少なくともルークには、そう感じられた。 「これは、第七音素?!」 杖を構えたまま、少年が驚きの声をもらす。 耳慣れない言葉に問い返そうとした時、声がした。 それはいつも、頭痛と共に訪れる声。 だがその声に耳を傾ける暇はなかった。 耳鳴りが一層酷くなり、空気の振動がびりびりと肌に伝わる。 「な、に……っ」 ルークが途惑いの声を洩らした、その時だった。 唐突の浮遊感と、弾けるような閃光。 何が起こっているかは、よく分からないままだった。 だが異常な事態なのだということだけは、否でも理解できた。 その時にはもうルークの視界は白に染め上げられ、ただ悲鳴を上げることしか出来なかったのだが。 これから、どうなるんだろう。 そう思ったのを最後に、ルークの意識はぷつりと途切れた。 選んだ場面が場面なのか、あまり性別逆転してる感がない…… 名前もそのまんまだしねえ。 はうわ、大失敗?! ぎゃふー。 や、でも男の子ティアは普通にカッコイイと思うのです。うへへ。 そんで女性ヴァンもとてつもなく美人さんだと思います。もちメロンで(笑) ええ、あの、すいません。 全員性別逆転を考えた時、何に萌えるかってラスボスが美人女性なことにでし、た(爆) いや別に師匠が嫌いなわけじゃあ決してないんですけど強くて頭が良くて自分の意志を貫ける女性ってカッコイーじゃん、みたいなね。 あと、こうなった場合のリグレット(男性)にも非常にときめきます。 復讐の為に近づいたはずが、その強い言思と確固たる信念を貫いて生き進む姿を傍らで見つづけている内にこの人の力になりたい、と思う自分にある日気付いてしまう。 彼女にとっての自分はあくまで側近であり、命を狙う者だという認識をされていると分かっているのに。 愛される事などないと、充分過ぎる程理解している。 妹の仇だと言い放った、あの日あの時は嘘じゃない。 今こうしている時でも、妹を大切に想う気持ちは変わらずこの胸にある。 けれど、それ以上に…… 葛藤しながら、愛を囁くことも出来ず、また返される愛などないと自らに言い聞かし、それならば側近としての役を果たそうと強く誓う。 それが抱いた気持ちへの餞であり、そしてまた自分の愛だ、と。 ……いやこれ、本編のリグレットとどこが違うねん、と? 同じですもん。同じなんですよ。 だって性別変わってもリグレットはリグレットだから。 でもね、愛に翻弄されるのがイイ男ってーのがミソなのですよ!(450ガルド/それは食材) 他も皆そうなんですよ。性別変わってるだけで性格も立場も一緒なんですよ。 そういうパラレル。 あとリグレットとティアの師弟ってばすっごい目の保養だと思います(笑) ……何かすっごいティア好きみたいだな。 ティアティアティアティア書いてますな。 や、でもこの逆転パラレルにおいてはティアさんが1番好きかもです。 ゲーム本編ではね、まあキライではなかったですがやっぱルーク至上主義ですから。 てゆっかこの逆転パラレル、女体化より男体化のが楽しくて(笑) むしろ女体は鬼門なのか何なのか書きにくい……ルークとかガイとかアッシュの口調やら何やらが妄想しにくいしにくい。 女体化、読むのはいいけど書くとなると無理っつか苦手かもー、という発見がありました。 あ、でもピオニー女皇帝は面白いかもなー、とか思ってしまいましたごめんなさいすいません。 見た目細身美人なのに中身は肝っ玉かあちゃんみたいなの。 その実初恋が忘れられないの。 ジェイド(女性)に「いい加減そろそろ結婚してくださいよ、アンタ仮にも皇帝なんですから」とか溜め息混じりに言われてみたり。 それにへらりと笑いながら「アイツの子なら生む気満々なんだけどなー」とか言ってればいい。 何度か繰り返されたこのやり取りにそれでもやっぱりジェイドは「人の弟をたぶらかさないでください」とか同じような答えを返すぐらいしかできないんだよ。うわ、おもしろっ。 つーか何だこれ、この逆転パラレルはあれか。脇キャラへの自分的愛の救済企画か(笑) 散々メッセンジャーをやらされうんざりしたこともあるセシフリ(略すな)も、男女逆転するとまた違う味ですよ! フリングス(女性)逝去の時とかも教会で「ユリアよ……どうか、あのひとに……彼に、ご加護、を……」って。 レムの搭でも「分かっていた……頭では、分かっていた、つもりだったんです。彼女は死んだのだと。それでも……」みたいなね。 あ、やべ自分で始めた妄想なのに(それともだから、か?)すっげ楽しくなってきた(笑) ラルゴ&ナタリア親子も逆転すると全然変わりますね。 父と娘が母と息子、になるわけだから。 でもこれの場合、悲壮感が無駄に上がってしまったような気もする…… だって自分がお腹を痛めて生んだ子が、ってわけでしょ? はうわ、悲劇以外のなにものでもなく!(爆) まあ、男女逆転するとそれぞれのドラマもまた様変わりしますよ、なワケなのですが。 ただ一人、イオンさまだけが。 浚われたり病弱(正確には違うけど)だったり、と本編でも素でヒロイン的役割を一手に担ってくれていたイオン様だけがっ! ……あんまり違和感なさげなカンジだったりしますよ、と。 ああもう自分男の子なイオン様大好きなのにィィィ! …ってゆー。 イオンさまを取り巻く関係者たちは性別違えば結構がらっと変わってしまいそうなんですけどねえ。アニスもアリエッタもシンクもさ。 長くなりましたが、突飛なネタですいません。 書いた本人は至極面白かったです。 や、でもホラ、アビス界は広いから探しまくれば同士がいるかもっ!!(そうか? ホントーにそうか? 登場人物全員逆転だぞ?) とか何とかお茶を濁しつつ、アデュ!! ( 逃 走 し ま し た ) ◆オマケの男女逆転妄想小話(↑でちらっと書いた話のモロ続きを考えてみた)◆ 「…、ルーク、起きろ」 呼ばれてる。 メイドの声でも、ガイの声でもない。 誰、だろう。 呼ばれるままに意識を浮上させ、目を開けた。 「良かった。目ぇ覚めたみたいだな」 安堵の声が、すぐ上から降ってくる。 覗き込んでいたのは、知らない顔だった。 至近距離に、知らない人物がいる。 その事実にルークは声も出ない程に驚き、慌てて体を起こした。 のだが。 「あぐ、う……っ?!」 体のあちこちが、ぎしぎしと抗議するように痛みを訴えた。 どこが痛いのかも分からない。 混乱し、それでも顔を顰めて痛みに耐えるしかなかった。 自分の体を抱きしめるようにして腕を掴んでいると、少年が背中に手を添えて支えてくれた。 「いきなり動くのは無茶だ。どこか痛むところは?」 「だ、いじょうぶだ、けど……」 「凄い衝撃だったから……随分飛ばされてきたみたいだ」 「飛ば……? あああっ!!」 意識がしっかりしてくると、記憶も同時に蘇ってくる。 目の前の少年が邸への侵入者で、ヴァンを襲ったことも、斬りかかった後に何かおかしな空気を感じたことも、全て。 それと同時にルークは勢いよく立ち上がり、彼との距離を取った。 「アンタ、何なのっ、何でヴァン師匠を……」 「俺はティア。君も第七音素を使えるんだな、迂闊だった。だから匿われてたのか」 「せ、セブ……?」 言葉の意味が分からない。 途惑うルークを余所に、ティアと名乗った少年は言葉を続ける。 淡々とした口調と観察するように向けられる眼が、何かいやだった。 胸の内をざわりと撫で上げられるかのような、そんな気になる。 だがルークの心情など構うことなく、ティアは尚も言い募る。 「ここがどこかは分からないが、君との間で起こった擬似超振動で飛ばされてきたらしい。とりあえず街道に」 「ちょ、ま、待ってってばっ」 「……何」 「アンタが何言ってんのか、こっちにはさっぱり分かんないっ!!」 噛みつくような勢いで怒鳴れば、ティアは一瞬沈黙し。 重苦しい溜め息を吐きながら、額に手を当てた。 よく分からないけれどあまり好意的ではないその仕草にムッとし、ルークは唇を噛みながらティアを睨みつける。 「詮索は後にして、今はここを出よう。夜の渓谷に長居するのは得策じゃないし、それに」 「な、なに」 「今の君には説明しても分からないだろうから」 馬鹿にされた。 さしものルークも、今度の言葉に含まれた毒というか棘というか、には気付いた。 ただでさえ師匠に刃を向けた不貞の輩、という想いが強くあるのに加えてこの物言い。 コイツ、好きじゃない。 かろうじて口には出さずに留めたものの、顔には出ただろう。 ルークの剣呑とした眼差しに、けれどティアは動じる素振りも見せずに。 「君を巻き込んだのは俺の責任だ。ちゃんと家まで送り届けさせてもらうから」 「……そんなの、当たり前じゃん」 「じゃ、行こう」 歩き出したティアの半歩後ろを付いていきながら、何だか妙なことになったなあと今更ながらに思う。 あんなに鬱陶しかった邸への軟禁から逃れられるのが、こんなタイミングで訪れるとは。 事故もいいところだ。 心構えも準備も、何も出来ていない。 明日には邸へ帰れるだろうか。 お母様はまた倒れてしまっていないだろうか。 歩きながら、気付けば邸のことばかりを考えていた。 邸で過ごす毎日の中では、外のことばかりに思いを馳せていたというのに。 邸では感じることのなかった、少し湿り気を帯びた風。 土の匂い。 全てが新鮮で、少しだけ。ほんの少しだけ、心が躍った。 何となく目線をやった背後には、名前も知らない花が揺れている。 邸に咲いている花にはそう興味もなかったが、群生している様子はそれだけで美しいものに思えた。 吹きつける風に髪を揺らしながら歩くルークは、知る由もなかった。 これが長い長い旅の、ほんの始まりにしか過ぎない、その事を。 END ルークの口調が……(途惑い) 思い出しつつ書いたので細部違うだろなー、と。 あーやっば、こんなんホント一人妄想やわー(笑) |