日々徒然ときどきSS、のち散文
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2005/08/23(火)
忘却について贖罪を含んだ考察


忘れてしまうのは

いけない

ことですか

辛くて 哀しくて 苦しくて

心がばらばらに 散々に

なってしまいそうなもの

でも






 あれは、月の明るい夜のことだった。


「なあ犬。お前さあ、初めて人を斬った時のことって覚えてる?」


 答えは返らない。
 けれどその沈黙が、彼の答え。
 天国は少し笑って、ごろりと畳の上に寝転がった。


「俺は覚えてるよ、よく覚えてる」


 目を閉じて、天井に向かって両手を伸ばす。
 貧乏長屋の天井は低くて汚い。
 だけど、目を閉じればそれも見えない。
 だから、天国は目を閉じたまま口元に笑みを浮かべた。

 目を閉じて浮かぶ暗闇の中で、天国には見えていた。
 あの日、あの夜の。
 眩しすぎるほどの、忌々しい月が。

 不自然なほどに明るい月が、姿を隠してくれなくて。
 夜の闇に溶け込むことが出来なくて。
 それより何より、明るい光が、まるで自分を見張っているようで。


「月の明るい夜だったよ」



忘却について贖罪を含んだ考察







唐突に浪人猿と忍犬の話です。
ちょっと筆の進みが不調なので、気分転換に。

てなわけでWeb拍手コメントありがとございまーす!!
8/21、螢さん。
ふほー!!!!(奇声)
ほほほ、本気にしますよそんな嬉しいお言葉をかけて頂けると…!!
ど、どうしようどうしようあんなアホみたいな呟きにそんな嬉しい言葉を頂けるなんてっ、全然、これっぽっちも、ミジンコどころかミカヅキモの欠片程にも予想していなかったんで、ちょっと普通に嬉しいというか困惑というかきょーー!!(落ち着け)
ええと、ええとええとええと。
デートはいつにします、か…っ?!(ぇー?!)





覚えていなければ いけませんか

忘却は赦しだと

寂しそうに言った

あなたは

今の僕に

何を言ってくれる

でしょうか