日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2004/10/04(月) |
[SS・+なお話]弁当談義。(ミス振り) |
弁当談義。 立ち寄った本屋で、見知った顔を見つけた。 長身にキャップ、かけられた眼鏡は彼の教養の高さを示す一つのステイタス。 天国は足音を忍ばせ彼の真後ろまで近寄る。 とは言っても何やら雑誌に目を落としている彼は、天国の存在に気付く様子など微塵も見せなかったが。 真後ろに辿りついた天国は、笑いを含ませた声でその耳元に囁きかけた。 「花井主将はっけーん」 「お、わ!」 「ういーす。脅かしちった?」 花井、と呼ばれた少年はびくりと肩を竦ませて慌てた様子で振り返る。 天国はそれに舌を見せて笑ってみせた。 振り向いた花井は、天国の顔を確認してふっと息を吐いた。 驚きに強張っていた肩からも力が抜けるのが見ていて分かった。 「誰かと思ったっつの。何してんだよ、猿野」 「そりゃー本屋に来てんだから本を見にきたわけさー。ってか花井は何見てんだ?」 「……弁当」 「は? 100円で出来るお弁当、あー自分で作るとなると結構パターン同じになってくるもんな」 「お前も自作派?」 「まーなー。俺も見よっと」 最近は一口に料理本と言っても様々な種類がある。 天国は適当に並べられていた1冊を手に取ると、ぱらぱらとページをめくってみた。 制服姿の男子高校生が二人、料理本を手にしているというなかなかに稀有な図が出来上がっているのだけれども。 「あ、これ美味そー」 「ああ、それならちょっと材料変えただけでガラっと味変わるぜ」 「ふりかけとかって何気に重宝するよな」 「あー、分かる分かる」 どちらがどちらの言葉かは想像に任せるとして。 二人はそのまま暫く、料理談義に花を咲かせたのだった。 ゲームセット!! 花井主将ー。好き好き。 ていうかこの子は西浦の母親だと思います(笑) そんな感じで、弁当談義。 こちらもWeb拍手お礼、一人ミス振り祭り時に出していたものです。 UPDATE/2005.03.28(センバツ、放映中) |