日々徒然ときどきSS、のち散文
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2004/10/03(日)
SS・+なお話]左腕王様とバブリシャス俺様、初遭遇★(ミス振り)



左腕王様とバブリシャス俺様、初遭遇(ファーストコンタクト)







「榛名さんじゃないですか?」

「あん?」


 電車を待っていたら、声をかけられた。
 声の主はカワイイ女のコ、では残念ながらなく。
 どこかで見た顔の気がする、男が二人。
 一人は声をかけてきたであろう、茶色い髪をした快活そうな表情で。
 その半歩後ろには、何やらだるげな顔でガムを噛んでいる狐目。

 手前の方には、覚えがある。
 顔は見た。その覚えが、何となくだがある。
 だがどこで会ったのか、それが思い出せない。
 誰だっけか、なあ?


「一度しか会ってないから覚えてないかもですけど……」

「おう、悪い。誰だっけ? 顔は覚えてんだけどさ」

「猿野天国です。みーちゃ…三橋の友達の」

「ああ、思い出した。ガッコ違うって言ってたっけなそういや」

「っす」


 頷いて、猿野は軽く会釈する。
 猿野の後ろに立っていた狐目が、噛んでいたガムを膨らませた。
 キシリトールじゃねえな、ありゃ。
 バッカ、そういうとこから気ぃ遣ってけよ。
 見えた色からそんなことを判断する。
 目線がほぼ同じだ。


「あ、コイツも野球部なんですよ。俺とはまた違う学校なんですけど。オイ御柳、挨拶ぐらいしろよ」

「ミヤナギバカラです。よろしく、榛名サン?」


 にやり、そう形容するのが正しいような顔で、ミヤナギが笑った。
 目の縁をなぞるように引かれた真っ赤なペイントが、意地悪げに歪む。
 何のつもりだお前それ、と突っ込むことも忘れていたのは、それがあまりに彼の目元に馴染んでいたからだろう。

 同じような匂いがする。
 何となくそんなことを思いながら、榛名は負けじとばかりににんまりと笑ってみせた。
 まあおそらく、意地の悪いと形容されるだろう笑顔で。


「榛名元希、ヨロシク」


 立ち位置が丁度二人の間だった猿野が、ひくりと口元を引き攣らせたのは……
 まあ、仕方ないことだっただろう。




ゲームセット!









Web拍手SSより再録です。
一人ミス振り祭りをやっていた時のものです(爆)
タイトルは元々考えてなかったのであとづけです……
どうなんだこのタイトル(ぅ)

自分の中でのポジション的には猿と三橋、阿部と犬飼、榛名と御柳が一緒。
そのうち仲良くさせます、この二人も。
最初は同族嫌悪で「うわーヤな奴っぽい」ってどっちもが思ってる状態。
……需要はあるのか。


UPDATE/2005.03.28(センバツ、放映中)