日々徒然ときどきSS、のち散文
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2004/05/31(月)
SS]彼方を目指す者、斯く語りき(巨商伝/半オリジナル?)


 混沌の時代。

 それでも人は生き、また自ずから希望を見出さんと歩みを進めた。

 激動の最中、前を見据える者。

 その瞳に宿る光は、何より強く鋭い――




   
彼方を目指す者、斯く語りき




 旅人らしき4人が、歩んでいる。
 前を歩くのは、黒髪も艶やかなどこか幼さを残した顔立ちの少女と、忍びらしい装束に身を包んだ女の二人。
 歩きながら、ふと少女が何かに思い当たったような顔になった。


「ねえ弥桜。お腹空いたわね、そろそろご飯にしましょうか」

「七胡様、今日は鮪でも食べませんか?」

「あらいいわね。牙、冥晴、それでいい?」


 七胡と呼ばれた黒髪の少女は、背後を歩いていた二人を振り返った。
 後ろを歩く二人は、共に男だ。
 片方は術者らしい服装で、もう片方は隣りに大きな獣…狼を連れて歩いている。
 術服男が冥晴で、もう一人が牙という。


「私は主人の意向に従いますれば」

「おう、俺もそれでいいぜ」

「もー、二人ともいっつもそうなんだから。偶にはあれが食べたいとかこれが食べたいとか…そういうの、ないの?」

「無駄ですよ、七胡様。二人とも腹に溜まれば何でも一緒なんですから」


 女忍…弥桜が苦笑しながら言った。
 冥晴は顔色を変えないまま、牙は面白くなさそうな顔をして。
 それを見た七胡は、楽しげに笑い声をあげた。


「でも乱ちゃんはお肉が好きなのよね〜?」

「まぁ、肉食だからな」


 乱、とは。
 牙の連れている狼の名である。
 七胡に声をかけられ、乱は答えるようにその耳をぴくりと動かした。
 頭のいい乱は、言葉こそ扱えないが与えられる言葉の意味を理解しているようだった。



「これから九州かぁ。やっぱり暑いのかな?」

「今は真夏ではありませんから、そうでもないのでは?」

「何だ冥晴、おめー行ったことあんのかぁ?」

「いや、私も実際訪れるのは初めてだがな」


 会話をしつつ、4人はもくもくと夕飯の準備を進めて行く。
 旅にも慣れてきた最近は、その手際も随分よくなった。
 やはり寝食を共にすれば少なからずその人間同士の信頼関係は深まるということだろうか。


「次は北に行ってみるのもいいわね〜」

「七胡様、まだこれから南ですよ」

「あら弥桜。目先のことばっかりじゃダメよ。商人たるもの一年先のことぐらいまでは考えておかなくちゃ!」

「一年先でも何でもいが、俺ぁ腹が減った。今は目の前の飯のことだけ考えてたいぜ」

「そうね、今はお腹空いたし! 食べましょっか!」


 旅はまだ、続く。




【ゲーム終了】








書いちゃった書いちゃった! な巨商伝。
今の自分の日本パーティー。
狸をがつがつ撲殺しております、はい(動物虐待?!/オラの畑荒らすんでねぇ〜)
レベルを上げよう。頑張ろう。
バイトでお金を貯めよう。

あ、ちなみに文中の商人はあきんど、一年はひととせ、とお読みくださいませませ。