日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2004/04/01(木) |
[SS・ミスフル]ラヴィアンローズでいいんじゃない?(芭猿) |
「味が違う」 「は?」 御柳は、スキンシップが好きだ。 ぶっちゃけて言ってしまえば、イチャつくのが好きだ。 有体に言えば、キスやら抱きつくのやらがとてつもなく好きなのだ。 その一見するとクールビューティーな外見からは想像もできないほど、甘えたりくっついたりをよくしたがる。 別に知りたくもなかったが知ってしまった、意外と言えば意外な一面。 何故知ることになったかって、答えは簡単。 天国と御柳は、俗に言う恋人同士、という関係だからだ。 そして、スキンシップ好きな御柳が今日も今日とて天国にキスを送ったところで、冒頭の言葉に繋がるわけである。 重なっていた唇が離れるなり、いつになくマジメな顔をした天国がぽつりとそんなことを言ったのだ。 唐突な言葉に、御柳は何を言いたいのかと首を傾げる。 「ガム、変えたん?」 「あ〜、ナルホドね、そゆことか」 「質問に答えろよ馬鹿ら」 「妙な変換やめろって言ってるっしょ〜?」 「気のせいだ。音にすりゃ変わらねー」 しれっと言い放つ天国に、御柳はがくりと肩を落とす。 天国はいつだって、こんな調子で。 キスをしても、抱き締めても、それを振り払うようなことはないけれど。 甘い雰囲気、にはなってくれない。 1度それを言ったら、可哀想な人間を見るような目で見られ、盛大な溜め息を吐かれた。 そのうえでトドメの一言が「……バカ?」だったりしたのだから、あの時の気分と言ったらもう、言葉では言い表わせないほど。 天国曰く、いちいち反応してやってたらキリがねーじゃん、アイツ暇さえありゃ四六時中でもくっついてたいよーな奴だし。まぁ俺も嫌だったら殴ってるしな、容認してやってんのも愛だろ? …と、いうことなのだが。 それを知らない御柳は、情に脆いくせしてクールな天国の反応になかなかに泣かされていたりするのだ。 「ん、でも今の味はキライじゃねーかも。何味だ?」 「あ〜、これ。新作だっつんで買ってみた」 ごそごそ、とポケットの中から取り出したガムのパッケージを、天国に手渡す。 出てきたのは、可愛らしいピンク色。 それにいつもの如くデカデカと「バブリシャス」の表示がされている。 「うるおいピーチ……」 「キシリトール配合らしいぜ〜?」 「てか、すっげー匂いな、これ」 「そか? 俺は気にならねーけど」 「お前のそれは単なる慣れだっての。まあこないだのバナナシェイクよかマシかな」 天国の言葉に、御柳は微苦笑した。 件の「バナナシェイク味」を買った時、その味を試した時の天国の様子を思い出して。 バブリシャスを常時携帯している御柳だが、実は熱烈な信者というわけでもないのが、意外だが本当の所だったりする。 御柳は板ガムがあまり好きではない。 だが昨今市場に出まわっているのは、ほとんどが板ガムで。 自然、バブリシャスに手が伸びるというわけだ。 シトラスソーダが基本装備だが、新作があればそれを買ってみたりもする。 今日もそれと同じで、新作が並んでいたので試しに買ってみたというわけだ。 バブリシャス系列のガムは、どれもこれも味も匂いもキツイ。 が、今回のピーチはなかなかにおいしいと思えた。 甘ったるすぎないのがいいのかもしれない。 「食っていーぜ?」 「別に、いらねーし。甘いんだよな、このシリーズ」 「んだよ、美味いって」 「いーんだよ、ホラ、返すっ」 手の中に押し込まれるようにして、返された。 意地っぱりな天国は、これ以上何か言えば機嫌を損ねかけない。 別に頑なになるようなことでもないのに、と肩を竦めた御柳に。 天国はふい、と顔を背けながら告げた。 「お前のキスで、じゅーぶん味わってんもん、俺」 ……反則っしょ、それ。 END お前は月の始めから何を書いとんじゃーい! なバカップルを書いてみました。 別名、バブリシャスの「うるおいピーチ」を買ってみた記念(なんじゃそら) ちなみに「バナナシェイク」への猿の感想はまんま私の感想でございます。 甘かったんだよ…なんでバナナじゃなくバナナシェイクなのか。それならチョコバナナにでもしてしまへ。みたいな甘さでございました。2度と買わん。…と言う前にどこの店からも姿を消したよ(笑) WEB拍手へのお礼SSはこんな感じの短いのにする予定です。 ちうか練習用に書くなって話で。 や、あんまり長くなっちゃったら普通にUPりたくなるからさ〜(しかしこれでも1000文字はあるのである) 普段の日記で1000文字は当たり前なんで、1000くらいじゃ多いと思えない…ってか実際多くないよね??←誰に言うとんじゃ タイトルはノリです。 ラヴィアンローズ=薔薇色の人生 ……おめでたいなー、相変わらず頭の中(爆) |