日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2004/03/01(月) |
[SS・+なお話]楽しいんだから問題ないでしょ。(ミスフル+KOF) |
ゲームやってたら書きたくなっちゃったっす… またもパラレル。 というか、初のクロスオーバー話。 えと、要するに他作品同士のキャラが作品を越えて一緒の空間に存在しちゃいますよーん、てやつですね。 ミスフルでよく見かけたのだと、ミスフル+テニプリとかかな? ミスフル+ブリーチってのも見たかな(こっちは一回ぐらいだったんだけど、気に入った話だったので覚えてます…/笑) しっかし、クロスオーバーいつかやるだろうな、と思ってたけどさ。 ネット界広しと言えど、フルとKOFでクロスオーバーやってる人なんて少ないだろうな〜(いない、とは言わない。いたらその方に失礼だし。…というか、むしろいて欲しい←望み薄だけど) てなわけで。 これは何て略せばいいのかな。 ま、普通にミスフル+KOF、でいいかな。 んー、KOF知らない人もいるかもなんだけど(特にミスフルはね…若い子多そうだしね…)日記は自己満足の吐き出し場所ー!! なのでさくっと行きます。(むしろ逝きます、か?/笑) 苦手な方は逃げてね、なクロスオーバー話。 あ、勿論猿受け思考は健在(腐れとる) 「テスト明けってやっぱりいーよねー」 一学期中間テスト、その終了日。 テスト終了ということで部活は再開されたのだが、初日ということで軽めに終わった。 片付けも終わり、部室で着替えをしている時に兎丸が冒頭の言葉を口にしたのである。 「ねーねー兄ちゃん、早く終わったことだし、久々にゲーセン行かない? 対戦しようよ!」 「あー……悪い、今日ちょっとパスな」 「えー? なんでさー。いつもなら……」 「これから人に会うんだよ」 つっても、今メール見たんだけど。 これを言うとうるさそうだから、言葉にはせず内心で呟くにとどめる。 不満顔でまだ何かしら食い下がる兎丸の相手を適当にしてやりながら、天国はさくさくと帰る準備を進めていた。 「ねーってば誰なのさ?!」 「あーもーうっせーな! 京さん待たせっと機嫌悪くなんだから頼むから帰らせてくれって!!」 纏わりついてくる兎丸に、半ば叫ぶように言って。 天国のその言葉に、兎丸が元から大きな目を更に丸く見開いた。 間近でそれを見ることになってしまった天国は、切羽詰った内心とは裏腹にあ、でっけー目。後ろ頭ぽん、って叩いたら落ちてきそうでやんの。などとどうでもいいことに思考を飛ばしてみたりする。 すう、と息を吸い込む音が聞こえた。 「京さん??!! 何何兄ちゃん、彼女?!」 「アホかー!! 男だっつー……って名前出しちまった俺の馬鹿ー!!」 うがあああ、と頭を抱えてみるが、今更口に出してしまったものは取り消しようがない。 俺の馬鹿俺の馬鹿俺の馬鹿、が天国の頭の中をエンドレスリピートでぐるぐるマイムマイムを踊っている。 横では兎丸がしつこくも誰なの誰なの、と繰り返し続けていてそれが天国の頭痛に更に拍車を欠けた。 兎丸の背後では司馬が何とか止めようとおろおろしているのだが、悲しいかな全く功を奏していなかった。 兎丸がいつものように天国にひっついているのなら引き剥がすだけで事足りるのだが。 口頭攻撃となると、司馬には手も足も出ない領域なので。 「と、兎丸くんその辺にしとくっすよ。猿野くん困ってるじゃないっすか……」 おずおずと、そんな声を挟んだのは。 野球部内での天国の保護者、との評価も名高い子津である。 兎丸の毒舌カウンターを恐れて誰もが傍観を決め込んでいたのだが、流石に見ていられなくなったのだろう。 最も、一癖も二癖もあるレギュラー陣皆が皆、兎丸の毒舌に尻尾を巻いているのかと言えばそうではないのだが。皆、厄介事には面倒だから関わりたくないのである。 ただでさえテスト明け、その後の部活で消耗してるのにこれ以上何がしかに巻き込まれてたまるか。 声にはされない無言の圧力にも似たそんな言葉を、天国は確かに感知していた。 それも仕方ないかな俺が同じ立場だったらそうするだろうし、と珍しくも大人しい思考で考えてしまうのは頭が未だにテストモードから完全に切り換わっていないからだろう。 「だーって気になるじゃん。ねーねー教えてよー」 「兎丸くん……」 「だーから、何で教えなきゃ……」 いい加減疲れてきた。 そんな感情を隠すことなく表情に出しながら、天国が盛大な溜め息を吐いたその時。 部室内に、携帯の着信音が響き渡った。 ぴるぴるぴる、と味気ない電子音。 自分のものではない、と分かっていても思わずぴくりと反応してしまうのは、悲しき携帯世代の性か。 「あ、俺だわ」 反応したのは、天国。 無機質な、と言っても差し支えない元々内蔵されている電子音。 それを聞いた部員たちは以外そうな顔をした。 天国のことだから、流行りのJ-POP辺りを抑えているか、好きなアイドルの曲でも登録しているものだと誰しもが考えていたからだ。 そんな回りの反応など構うことなく、天国は携帯を手にした。 二つ折りのそれを開き、表示を確認することもせずに天国は電話に出る。 「沢松? あ〜、まだ部室、今着替えてっから、もう少し……」 「や、もう来ちゃってるしね」 そんな言葉と、部室のドアが開かれるのがほぼ同時。 部内の人間の目が、ドアへ向けられる。 そこに立っていたのは、毎度お馴染み沢松と。 「京さん!!」 「よー天国。テストお疲れさん。ってかひっさしぶりだな〜」 沢松の後ろに立っていたのは、犬飼と同じくらいの上背の、なかなかに美丈夫だと言える男が一人。 脱色などしていない黒髪はセンター分けで、彼が首を傾げるようにするのに合わせてさらりと揺れた。 彼がひらひらと手を振るのに、天国は嬉しげに駆け寄る。 男は、駆け寄ってきた天国に笑顔を向けてその頭をよしよしと撫でている。 天国はそうされるのを嫌がるでもなく、むしろくすぐったげに嬉しそうに笑っている。 「部活始めたんだってな? どういう心境の変化だか」 「まぁその辺は、後でゆっくり話しますから」 「って何でお前が言うんだよ沢松!」 「お前ら相変わらずだな〜。ま、そだな。ゆっくり聞かせてくれよな?」 親しく会話を交わす三人を、しばらく部員たちは呆気に取られて見ていたのだが。 誰かが、ふっと口にした。 「あれって…草薙、京だよな?」 ぼそり、と呟かれた言葉は、それでも皆の耳を穿つには事足りるほど。 どよ、と空気がざわめきかけたその時。 絶妙のタイミングで男…もとい京が口を開いた。 にっこり、と有無を言わせない笑顔つきで。 「はいはーい、KOF優勝経験者、草薙京でーす。天国とは色々あって友人でーす。てなわけで、行こうぜ天国」 「あ、カバンが……」 「もう持ったって。このハンサム様の手際に感謝しろよな〜」 いつの間にっ!!? 慄いたのは、おそらく京と天国以外の人間全てだ。 しかし沢松の手には天国のカバンがしっかり握られている。 天国の使っていたロッカーも、しっかり閉められている。 それをここにいる人間の大半に気付かれないようにやったと言うのだから、驚かれても無理ないだろう。 「あ、お疲れっした。お先に〜」 ぺこ、と軽く会釈をして天国は部室のドアを閉めた。 奇妙なくらいに鎮まり返った空間が、一瞬の空白の後に大いに騒がしくなるのは、まあ仕方ないことだろう。 そこから戦線離脱してしまった天国には、最早知ったことではなかったのだけれど。 「あ〜あ、明日色々聞かれんだろーなー」 「俺も協力してやっから、そう気ぃ張んなって」 「ま、上手くやれよ」 歩きながら、天国ははぁぁぁ、と溜め息を吐いた。 沢松は苦笑しながら、その肩を叩いてやる。 変わらない二人の様子に、京は楽しげに笑った。 と、天国が先ほどから疑問に思っていたことを口にする。 「そういや京さん、第一声にテストお疲れって言ってましたけど、なんで知って…?」 「御柳に聞いた。つかメールが来た」 「あんのアホ……」 というか、他校の筈の御柳が何故十二支のテスト日程を把握しているのか。 それを疑問に思った人物は、その場にはいなかった。 何故なら。 「相変わらず好かれてんな〜。てか、今日一緒だからな、御柳も」 「は?!」 「道案内頼まれてくれた。ってーのは口実で、多分お前に会いたかったんだろうな。庵の車、最新ナビ搭載してっから学校調べるのなんて一発で出来るし」 「は、恥っずかしい奴……」 額を押さえて、天国は思わず零す。 それは怒っている、というよりも困惑している、と言う表情で。 以前から御柳は天国に気に入っただの好きだの告げてきてはいたのだが、そのどれもが冗談めかしたもので。 他人から改めてその事実を突き付けられると、なんだかどんな顔をしていいか分からなかった。 「ま、ゆーっくり付き合っていけって。御柳とも、お前自身の気持ちとも、な」 「言うほど簡単じゃないっすよ……でもま、いっか。楽しいし?」 「楽しめるなら問題ないだろ。さって、とりあえず飯からだな〜」 「……って八神さんの車、えっらいデカイし?!」 「あ、お前見たことなかったっけ?」 驚いて目を剥く沢松とは対称的に、天国はけろりとしている。 沢松の視線の先には、恐らく高級外車、にしっかりきっかり分類されるであろう車が停車していた。 驚かない天国は、どうやら初見ではないらしい。 沢松の反応に満足そうな顔をしたのは、何故か車の持ち主ではない京だったりして。 「へっへ、い〜車だぜ? あ、ホラ見ろ天国。御柳がこっち来るぞ〜?」 「は……」 「あ〜まくにー! もーむっちゃ会いたかったっつーのー!!」 「わぎゃああぁぁっ、デカイ図体でひっつくなミヤバカー!」 「照れんなってーの。あーもーマジ久し振りだしよ〜」 「先週休みに人の家に押しかけてきたのはどこのどいつだあ!」 「草薙さん、飯どこ行きます?」 「あ〜、この辺オススメとかあんの?」 「何が食べたいのかにもよりますけど」 「魚。と言いたいとこだけど庵が肉派だからな〜。運転もしてもらってるし、肉じゃねーかな」 「肉だったら……あ、殴られた」 沢松の言葉に補足をすると、御柳が天国に。 スキンシップの度が過ぎて、天国のそう高いとは言えない許容範囲をオーバーしてしまったらしい。 よろめいた御柳だが、タフというか何と言うか、気にせずに天国に話し続けている。 「平和でいーなー」 「……そっすね、平和っすねー」 とりあえずは、そんなカンジで。 楽しいんだから、問題なし。 今日も今日とて地球はくるくる回っちゃうらしい。 END 趣味走り過ぎー!!(大爆笑) なわけでミスフル+KOFでした。 芭→猿ぎみですよ、相変わらず(ええ、そら趣味で) 兎丸が出張ってるのは、本誌で天国と絡みオメデトー記念で(ぉぃ) |