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日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2003/07/14(水) |
[SS・ミスフル]今日は雨降り。(猿野独白) |
英語の小テスト受けなかったから補習、だなんて冗談じゃねー。 大体何だって小テスト如きで残されなきゃなんねーんだ。 てか定期テストならまだしも小テストで補習、っておかしいだろ、どう考えても。 ……ま、いっか。 どうせ今日、雨だし。 雨の日は筋トレが中心だから、思わずそんな不謹慎なことを考えてみたりして。 やっぱり自分は、抜けるような青空が好きだなぁ、と思う。 自分の打った打球が青い空に吸い込まれるように高く高く上がって行くのを見るのは、何より気分がいいから。 配られた補習用のプリントは、思っていたよりずっと簡単な物で。 早々にそれを埋めてしまった天国は、頬杖を突きながら窓の外を見やった。 雨の雫が、窓ガラスを伝って流れ落ちて行く。 分かれて、引かれて、また分かれて。 人ってのも、こんなんなのかもな。 出会って、別れて、また出会う。 ずっと一緒にいられる人もいれば、すぐに離れてしまう人もいる。 ぼけっと眺めながら、手にしたシャーペンをくるくる回した。 担当教諭は戻ってこない。 何人かいる他の生徒はまだ終わっていないらしくカリカリとペンを動かす音がする。 天国はふあ、と欠伸をした。 その拍子に目元に溜まった涙を、指の先でこしこしと擦る。 …アイツらとは、いつまで一緒にいられんのかな。 流れる雫を見ながら、ふとそんなことを思った。 野球は、楽しい。 今までそれを知らなかった自分がいっそ哀れだと思えてしまうほど。 けれど、それが楽しいのは。 楽しいとそう思えるのは。 周りにいる人の影響も大きいだろうと、そう思うのだ。 一緒にいられたら、いいよな。 できるだけ、長く。 ケンカもして、一緒に笑って。 そういうの、凄く大事なんだ。 考えて、早く外に出たいと思っている自分に気付いた。 日の光の下に、行きたい。 早く雨がやめばいいのに。 ◇END◇ 梅雨明けしない埼玉です。 暑くなるのも困るんだけどね… |