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日々徒然ときどきSS、のち散文
過去の日記カテゴリ別

2003/05/19(月)
[SS・ミスフル]その指で触れてよ。(芭猿)



「んあ〜……」

 ぬぼ〜…、という謎の効果音とともにリビングにやってきた天国は。そのままソファにどさり、と身を投げた。
 勢いの着き過ぎた反動でクッションが転がり落ちる。
 腕を伸ばしてそれを拾い上げ、そのまま腕の中に抱え込んだ。

 今日は休日。
 外は小雨混じりの天気。

 昨日の試合は、疲れたな。

 抱えたクッションに顔を埋めながら、そんなことを思う。
 不謹慎かもしれないけれど、今日の部活がなくて良かった、とも。
 慣れたとはいえ、やっぱり疲れるものは疲れるから。

「寝過ぎたかな……頭痛ぇ〜」

 頭の中に霞か靄でもかかっているような感覚がする。
 起きながら眠っているみたいな。
 またこんな風にぼけーっとしているから、頭の中がハッキリしないのだとは思うが。
 けれど、どうにも動く気がしないのだ。



「寝過ぎだっつの。もう昼だぜ〜?」


「??!!!」

 降ってきた声に、がばりと身を起こす。
 ソファの後ろから、自分を覗きこんでいるのは。

「みやくんっ?!」

「おーっす。勝手に邪魔してんぜぇ」

「な、な、なに……」

「おーおー、疲れた顔してんなぁ」

 思わず言葉をなくして、ぽかんと見上げてしまう。
 そんな天国の様子が可笑しかったのか、御柳はにや、と口元を歪めて。
 ぽす、と天国の横に座り込んだ。

「っつか無防備だな、相変わらず。ちっとは警戒しろっての」

「い、いきなり現れて言う台詞か、それが!!」

「気配ぐらい察しろよ」

 そんな言い合いをしながら、けれど何時の間にか御柳の腕に引き寄せられていて。
 あれ、と思った時にはすでに脱出不可能な体勢で。
 ついでに言葉の合間に頬やら目元やらにキスされたりして。

「ま、寝顔堪能できたからいいけどさ」

「それも複雑……ってか疲れてるんだって、俺」

「あ〜、いいよ。触りたかっただけだし」


 ……なんか、頭痛いし。

 どうでもいいや。

 この腕、あったかいから。



END






寝過ぎて頭が痛かったのは金沢本人です。
久々に12時間近く寝ましたらば、頭痛激しいし。
暫く頭痛と格闘してました。4時間近く(長っ)
そんな状況下に書いたから激しく意味不明文。
いつもそうだとかいうツッコミ可。