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日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2003/05/08(木) |
[SS・ミスフル]小雨降る日(天国と沢松) |
「う〜ん」 雑誌とペンを片手に、唸る天国を見て。 沢松は怪訝な顔をした。 小雨降る日 日曜日の午後。 小雨の降る今日は、部活もなく久々にゆっくりした一日。 けれど雨が降っている所為で、出かける気にもならず。 結局家で、何をするでもなく過ごすことになって。 付き合いも長い所為で、特に何か目新しい事をするでもない。 沢松は報道部の情報整理を、天国は適当に雑誌を読んでいた。 そんな中でふと聞こえ出した天国の唸り声に振り返った所で冒頭へと繋がるわけだ。 「何やってんだよ」 「クロスワード」 「はぁ? 何お前、また懸賞ブーム到来なわけか?」 「いや〜? なんとなくやり始めたら止まらなくなった」 何気なく言いながら天国は片手に持ったペンをくるくる回す。 沢松は立ち上がると、天国の持っている雑誌を覗き込んだ。 クロスワードは、三分の一ほどが埋まっている。 「あ〜、こりゃお前にはキツイ問題もあるな〜」 「つかマニアックすぎ。これ全部分かる奴って相当オタクだと思う」 「……悪かったな」 「げ、何? お前全部分かんの?」 「伊達にクロムハーツに身を捧げて……何年だったっけかな」 「そういうことは覚えてねーのかいっ」 首を傾げた沢松に、びしりと天国が突っ込み。 本気ではないけれどそれなりに衝撃の走った額を擦りながら、沢松は苦笑した。 しょーがねえだろ。 誰かさんが面倒だの心配だのかけさせっから。 俺はそれで手一杯なんデス。 ……とは。 流石に口に出しては言えなかったけれども。 「ま〜でもこれだけ解けてるってだけでも立派なんじゃねーか?」 「遠回しにバカにしてるか、それ」 「いやいやいや。なんつーか、お前俺の趣味傍らで見てっからなぁ、と思ってさ」 「……伊達に鬼ダチやってねっつの」 ぼそりと呟いた天国の言葉に、沢松は吹き出しそうになるのを耐えた。 そりゃ反則だろ、オイ。 ここでその言葉持ってくるか〜? ま、いいけどさ。 「うしっ、じゃ〜、そのクロスワードのキーワードが全部埋まったらお前が欲しがってたチョーカーやるよ」 「マジかっ?!」 「おお、マジマジ。だって無理だと思うし」 「なぁにぃ〜?! くっそ、ぜってー解いてやる! そんでもってお前は俺にひれ伏すのだぁ!!」 「何のキャラだ、何の」 たまにはのんびり過ごすのも、悪くない。 多分二人してそう思ってたりなんかして。 止みそうもない小雨。 明日は、朝練はあるだろうか。 思考の端でそう思いはしたものの、それはすぐに追い出された。 明日の事は、明日でいい。 今は、今の大事なこと。 そんなこんなで、日曜の昼下がり。 ◆END◆ 初登場沢松氏。 ごめん、沢松氏(爆) 初書きでこんなんで…ッ そんなかんじで小雨が降っていたのは管理人の住んでいる土地でございます。 十二支高校と同じ県に住んでいるので(素直に埼玉県だって言ったれや)、なんとなく嬉しいのですわ。ふふ、海なし県やさかいにな〜…(?) 天国さんの読んでいたのは沢松氏の部屋にあったシルバーアクセ関連の雑誌だと思われ。 見るのは私も好きです。 カッコイイし。 買えないけどねっ、高くて(泪) 王道(だよなぁ?)クロムハーツが一番好きかな〜。ゴツイのからシンプルなものまで網羅してるから、見てて楽しい♪ 明日は晴れるそうですよ。 |