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日々徒然ときどきSS、のち散文
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2003/04/27(日)
[SS・ミスフル]こんなゴミ溜めみたいな街の片隅でも(猿独白)



「きたねぇ街だよな。ゴミゴミしててさ」

 夜を照らすネオンすら、どこか薄暗い。

 けど、

 それでも。

「俺はこの街がすきだよ」


 上手く、笑えただろうか。

 自信はない。

 あんなに、いつも笑えてたのに。

 笑い方を忘れた、みたいだ。


「お前に会えたから。だから」

 頼むよ。

 泣きたいわけんじゃないんだ。

 困らせたいわけじゃないんだ。

 引きとめたいわけじゃないんだ。

 今だけは、零れるなよ。

 俺の、涙。

 後で泣いてやるから。

 枯れるまで、思いっきり。

 だから、今は。



「オレはこのまちがすきだよ」


 ああ、声が震えた。

 頭の上辺りに合った街頭が。

 俺の瞬きに合わせて、ちかりと瞬いた。

 それがなんだか叶わなかった俺の願いみたいで。

 消えて行く星の輝きのようで。

 俺はまた、涙を我慢しなきゃならなかった。




◇END◇






うわぁお。
なんじゃこの中途半端な物体は。
ええとですね。
なんとなく浮かんだので書いてみました(爆)

夜の街、たよりない街頭の下。
独り言みたいに色々言ってる天国。
背景のネオンは、綺麗だけどどこかくすんだ色でものがなしい。

そんな場面が浮かんだのでした。
書ききれているかどうかは、分かりませんが。
しかも何故だか別れの場面。
う〜ん。
ま、偶には書きたくなるのですよ。
こういうくっらい話も。