日々徒然ときどきSS、のち散文 |
2002/09/15(日) |
[SS・ワンピ]あたり。 |
立ち寄った港で一人ふらふら歩いてたんだけどさ。 あまりの暑さに耐えかねて、俺は棒付きアイスを買ったんだ。 「おっちゃん! アイスくれっ」 買ったのは、今日の空みたいな色した、ソーダ味。 財布なんて滅多に持ち歩かないし、あまり金の価値なんて正直わからない俺だけど。 ズボンのポケットを漁って出てきたベリー硬貨に、この時ばかりは嬉しさを覚えた。 なんだか棒付きアイスなんて、すっげー久し振りだ。 フーシャ村にいる時は結構食ったんだけどな。 エースがいた時は、かき氷もよく食ったよな。 あのかき氷作る機械を回すのがすっげー好きで、でもチビで不器用だった俺はあまり上手く回せなくて。 見兼ねたエースがやってやるって言ったけど、それが悔しくて意地になって自分でやるって言い張って。 そしたらエースが、じゃあ二人でやろうっつって。 二人で一緒にぐるぐるぐる〜って回してさ。 仕上げにシロップかけて、できあがり。 俺はイチゴ味が好きで、ほとんどそればっかだった。 エースはイチゴなんてガキだっつって。俺はそれを言われるたびに怒ってた。 いーじゃんか、赤はいい色だ。好きな色なんだ。強い色なんだからな、ってさ。 言うたびエースはガキの癇癪は手に負えねー、っつって肩竦めて。 言い負かされた気がして俺がむくれてっと、エースは俺の目の前に自分の食ってるかき氷をさ、スプーンですくって差し出してきてさ。 こっちも美味いぞ、食ってみろ。 って。言ってくるんだよな。 で、俺は目の前に出されたメロンだったりブルーハワイだったりするそれも美味しそうに見えて、ぱくっと食いつくわけだ。 イチゴとはまた違う味に、こっちも美味いかもなって俺は言うんだ。 でも、俺はやっぱりイチゴが一番好きだって。言い切るとエースはいいんじゃねーか、って言ってくれたんだよな。 最後はお互い色の変わった舌を見せ合ってさ。 俺は赤だったからそんなに変わらないんだけど、緑だったり青だったりに変わってるエースのそれは見るのが面白くて。 俺は何度も見るのをせがんで、最後はエースにめんどくさいって断られるんだ。 そんでまたケンカになったりしてな。 ……つっても俺がわめいてるだけで、エースはあんま相手してくれなかったけど。 きーんって頭痛くしながら食うかき氷は、なんか特別だった。 何がって聞かれると、ちょっと答えらんねーけど。 でも、特別な気がすんだ。 ああ、なんで棒付きアイスが久々なのかってさ。 サンジが作ってくれるから、それ以外の物を食べるのが久々なんだ。 サンジに言わせればジャンクフードみたいなもんなんだろなー、これも。 船に戻ったら、かき氷でも作るかな。 今の俺なら、一人で作れるだろうし。 シロップとか、あったかな? 冷蔵庫はサンジが管理してっからなー。 まぁ、なかったら代わりになるようなもん作ってもらえばいっかな。 あ、でもかき氷作る機械とかってないかもな。見たことない気がするし。 でもまぁ、いっか。 探せばあるかもしれないし。 なければウソップに作ってもらえばいいしな。 うん、なんか楽しくなってきたぞ。 チョッパーなんかはかき氷自体知らないだろうから、驚くかもな。 「あ、あたりだ」 しゃくしゃくっと食べ終わった棒付きアイス。 ふと棒を見たら、そこにはくっきり刻まれたあたりの文字があった。 今度はレモン味にでもするかっ。 「おっちゃーん、あたりが出たぞー!!」 ◇言い訳◇ 夏に書け、夏に。 これこそ企画倒れした暑中見舞いに書けッつー話ですよ。 もう薄ら寒くなってきた今の時期に何故アイス話なのか私…… そして今のルフィがかき氷の機械を使ったら間違いなく壊すと思います(笑) 水汲み上げマッスィ〜ンも壊したらしいからね〜。 |