日々徒然ときどきSS、のち散文
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2002/07/23(火)
散文]流れ逝くそれは花びらではなく



ぱらぱら

ぱらぱら

水面を滑るように流れるそれを見つけたのは

偶然

とも言い切れないかもしれない



   
流れ逝くそれは花びらではなく



水面を揺れながら流されて行く

それは色とりどりの花びら

なんとなく上流へと足を向けて

小さな橋の上に

人影を見た

大きな花束を抱えて

無造作に花びらを毟り取って

ぱらぱらと川へ花びらを蒔いている

逆光で見えないその人は

泣いているようにも見えた


花が咲いていく

水面に

毟り取られた花びらが

花となり流れて行く

けれど流れるそれは

きっと花びらなんかじゃなかった

流れて消える

それは

きっと


ココロ、だった