日々徒然ときどきSS、のち散文
過去の日記カテゴリ別

2002/07/17(水)
散文]囃し唄


おーにさーんこーちら

手ーの鳴ーるほーうへー


幼い声

笑いながら手を叩いて

はしゃぎまわる声

走る軽い足音

ぱちんぱちんぱちんぱちん

軽快なリズムを刻む手拍子にも似た音

無邪気なその音に

もう戻れない時なのだと

当たり前のことを考える

時間は戻せない

あの頃のように

何も知らずに幸せに笑えていた頃には

二度と帰れない


ぱちん

ぱちん

ぱちん

鳴り止まぬ音と

笑い声とを聞きながら

俺はこの遊びが嫌いだったことを

ぼんやり思い出していた