日々徒然ときどきSS、のち散文 |
1981/02/17(火) |
[散文]絆 |
目に見えるものですら 脆く 儚く 消えゆくのに どうやったら信じられる? 目に見えない ひどく曖昧な それを 知ってるよ ここで今こうしている自分 その存在が その一人が消えたって 世界の流れからすればどうでもいいことで たとえば どこかの国で 要人がいなくなったりしても それでも世界の大半の人間には 何の影響もないんだし だから 今ここで消えてしまったとしても 世界は廻り続ける 残酷なほどの速度で くるくると それでも 人は 独りを嫌って 孤独を解消しようとして 目に見えないそれを 繋ぎとめようとするんだ つないだ片端から それが外れて落ちるのに 慌てたりしながら 誰かに会ったり 話したり 電話したり 一緒にいたり 食事したり 眠ったり そうやって世界を 世界と自分を 繋ごうとする その様は多分 外から見れば笑ってしまうほど 滑稽なんだろう だってどうしたって 切れるときは切れるし 壊れるときは壊れるし 消えるときは消えるよ そういうもんだよ どれだけ想ってても 大事にしてても 執着していても 消えるときは ほんの一瞬 そこに意思の介入する暇なんてない だけど だから 人が世界と自分を繋ごうとする 愚かしくも懸命なその姿を ただ いとおしいと キレイだなと そう思うよ 自分だって変わらない きっと同じような姿をしてるんだろうなって 苦笑しながら ね (2004.2.17) |